「オーストリア散る」。20本のシュートを放ったオーストリアは、あと1点及ばず。エース・ザビッツァーのまさかの不振もあり、同国史上初の8強進出は果たせなかった。対するトルコはセットプレーからの2発を執念で守り切った。試合終了のホイッスルが鳴るとトルコイレブンが続々とピッチに倒れ込むなど、死力を尽くし、4大会ぶりの8強進出を果たした。ベスト8で対峙するオランダは右肩上がり。勝ち目はほとんどない。勝利するためにはアルダ・ギュレルやケナン・ユルドゥズといった未来のトルコを担う「宝石」の輝きが必須だろう。
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【ラウンド16】 オーストリア×トルコ(レッドブル・アレーナ)
1 ー 2
[得]
(オ)
66” グレゴリッチュ
(ト)
1” メリフ・デミラル
59” メリフ・デミラル②
【採点】(0~10の20段階評価。最低点は0。最高点は10。)
GK
1 ペンツ 5・5
セットプレーからの2失点は悔しい。終了間際のバルシュのシュートは気合でストップ。
DF
5 ポッシュ 7
守備でケナンを抑え込むと、ポジションを高く保ち、チャンスに何度も絡んだ。グレゴリッチュのゴールをアシスト。
4 ダンソ 5
空中戦では制空権を取られ、悔しい内容。中盤まで上がり、スピードのある縦パスを狙ったが精度を欠いた。
15 ラインハルト 5・5(■52分)(64分→交代)
守備では後手に回ることもあり、退場してもおかしくなかった。ビルドアップでは自らボールを持ちあがり、効果を生んでいたが。
→2 ヴーバー 5・5(64分→出場)
ポジションを上げ、なんとかボールに絡むも、効果は埋めなかった。
16 エムウェネ 5・5(46分→交代)
攻め上がりから崩しに関与していたが、守備ではトルコのアッタカー陣に振り回され、不安要素となっていた。前半終了とともにピッチを去ったのも必定だったか。
→8 プラス 5(46分→出場)
自慢の攻撃センスを発揮することはなかった。リスクヘッジを考えたのか、消極的なプレーが散見。追い上げないといけない展開だったので、本人が一番悔しいだろう。
MF
6 サイヴァルト 5・5
守備のタスクに従事。リードされてからは組み立てに関与するも、効果は埋めなかった。
20 ライマー 6 (64分→交代)
前半は二列目からとび出せず、中盤でバランスを保っていたが、後半はスペースを作るランを見せていた。しかし、64分に交代を告げられた。
→10 グリリッチュ 6・5(64分→出場)
気迫あふれるプレーで持てる力は出していた。
19 バウムガルトナー 6・5
失点への関与は仕方なし。失点からすぐの2分には惜しいミドルを放った。攻撃的な選手の中で唯一アイデアを駆使し、違いを作り出そうとしていた。
18 シュミット 5・5 (■38分)(46分→交代)
攻守に顔を出したが、効果を生むプレーは皆無だった。
→11 グレゴリッチュ 7(46分→出場)
後半開始直後からエネルギッシュなプレーで流れを変えた。コーナーキックからポシュのニアのフリックをが押し込んでゴールを奪った。
9 ザビッツァー 5・5
ボールを運ぶ労力は見て取れたが、まさかの低調なパフォーマンスに終わった。サイドからクロスを上げるぐらいしかできず、チャンスメイクを果たせなかった。
FW
7 アルナウトビッチ 5
ボールを収めることができず、ゴールの気配は皆無だった。
GK
1 メルト・ギュノク 7・5
51分、アルナウトビッチとの1対1をスーパーセーブでシャットアウト。後半ATにもスーパーセーブを見せ、チームに勝利をもたらした。
DF
18 メルト・ミュルドゥル 6
高いポジションを取り続け、パスの出し手に選択肢を与えた。彼自身は効果を生むプレーはなかった。
14 アブドゥルケリム 6
後半、オーストリアの猛攻にも前に引っ張られることなく、自陣ボックス内でよく耐えていた。失点シーンの対応は微妙なところ。
3 メリフ・デミラル 8
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空中戦では攻守で制空権を取り続けた。高い打点でCKから2得点を奪う暴れぶり。アルナウトビッチとの肉弾戦でも勝利し、文句なしのMVPだろう。
20 フェルディ・カドゥオール 7
前線に顔を出し、崩しに関与。守備でも奮闘し、苦しい時間帯にもボールを前線に持ち運び時間を作れる運動量は称賛に価。
MF
22 カーン・アイハン 6
及第点。攻守でそつなくこなしていた。組み立てではサイドに質の高いボールを供給。
16 イスマイル・ユクセク 6 (■42分)(58分→交代)
ボールホルダーに激しく当たりに行っていた。警告の影響か、58分に交代を告げられた。
→15 サリフ・エズジャン 6(58分→出場)
イスマイルの仕事を引き継いだ。ザビッツァーに対して果敢に当たりに行っていた。
6 オルクン・コクチュ 6(■11分)(83分→交代)
ザビッツァーに対してプレスを敢行。守備で堅実に仕事をこなしていた。
→17 イルファン・ジャン・カフヴェジ(83分→出場)
FW
21 バルシェ・ユルマズ 6
前半は広範囲でボールを受けチャンスの起点となっていた。後半は守備のタスクとカウンターの際にボールを受けたが、決定機を決められず。
8 アルダ・ギュレル 7(78分→交代)
0トップとして自由なポジショニングでプレー。流れの中では、効果を生むプレーはなかったが、CKから良質なボールを相手ボックス内の危険エリアに流し込み、セットプレーから1アシストを含む2点を演出した。
→7 ケレム・アクトゥルコール ー(78分→出場)
試合展開上、守備をするしかなかった。
13 ケナン・ユルドゥズ 4・5(78分→交代)
不発。ポッシュに完封され、良いところがなかった。守備のスキルも低いので、交代が遅かったか。
→5 オカイ・ヨクシュル ー(78分→出場)
試合展開上、守備をするしかなかった。