「THIS IS FOOTBALL」。ピッチを全員が走りまくったスロバキアが強豪ベルギーから大金星を挙げた。敗れたベルギーはテデスコ監督の選手起用・采配に疑問を残した。一筋縄ではいかない「グループE」の混沌から抜け出す国は一体どこなのか。
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【グループE】 ベルギー×スロバキア (コメルツバンク・アレーナ)
0 ー 1
[得]
(ス)
7" シュランツ
【採点】(0~10の20段階評価。最低点は0。最高点は10。)
GK
1 カステールス 6
及第点。失点シーンは致し方ない。
DF
21 カスターニュ 5
前半はドクをサポートできず、後半はラインを高めたが、効果的なプレーを生むことはできなかった。攻守で低調なパフォーマンスだった。
4 ファエス 5
連携に大きな問題を残した。とりわけビルドアップでは味方の位置関係を改善できず、工夫も見当たらなかった。デ・ブライネにボールを供給さえできていれば試合も違う結果となっていただろう。
2 デバスト 5・5
高い位置でのインターセプトなど見せ場を作っていたが、ファエス同様ビルドアップに問題を残した。
11 カラスコ 5・5 (84分→交代)
前線に決定的なロングパスを入れたが、後半はドクと連携がまるで取れなかった。そもそもサイドバックの起用自体に疑問が残る。
→14 ルケバキオ 5 (84分→出場)(■85分)
交代直後の危険なファウルはレッドカードでもおかしくなかった。軽率なプレーと言わざるを得ない。
MF
18 マンガラ 5・5 (57分→交代)(■29分)
オナナとの役割分担が不明瞭。対人プレーは光ったが、攻守でフレシキブルな動きを見せられなかった。攻撃面の貢献度は皆無に等しく、ここにパサータイプの選手を配置していたら、ベルギーの攻撃はもっと円滑にいっていたのではないだろうか。
→19 バカヨコ 5・5 (57分→出場)
デ・ブライネをパスの供給元とするための交代。自身のプレーは正確性に欠けた。
24 オナナ 5・5
マンガラ同様、対人プレーでの強度が光った。しかし、カウンターの際のプレースピードの遅さが象徴するように、全体的にプレーテンポが遅く、展開によってはフレキシブルな対応が求められていた。
7 デ・ブライネ 6
要所で貫録を見せつけたが、決定機は演出できず。後半は、後方からビルドアップに関わり、味方の”つなぎ”のスキルの低さににフラストレーションを溜めていった。
22 ドク 5 (84分→交代)
前半はスピードを活かした愚直なまでの縦への突破力が相手の脅威になっていた。しかし、自陣で理解できないプレー選択を犯し、失点を招いたプレーは愚の骨頂。
→20 オペンダ 6 (84分→出場)
左サイドを切り裂きルカクへ出したパスは同点ゴールのおぜん立てと思われたが、VARでハンドの判定を受け、取り消された。彼自身は今後の起用を想起させるインパクトを残していた。
9 トロサール 5・5 (74分→交代)
ボールを受ける動きは良質であり、果敢にカットインから好機を見出したが、のきなみ相手にシャットアウトされていた。プレーがやや単調だったか。
→8 ティーレマンス 6 (74分→出場)(■76分)
前線にボールを運ぶ役割を託され、自身の仕事を全う。投入が遅かったのは明白だっただろう。
FW
10 ルカク 5
シンプルなプレーを求められている場面で、プレーにひと手間多く、決定機を外し続けた。この日2回ゴールを取り消しされ、”悪夢”の日となってしまった。
GK
1 ドゥブラフカ 6・5
足元の技術が不器用な愚直な守護神は、この日もキックでミスが目立った。しかし、決定機を幾度となく防ぎ、MVP級の活躍を見せた。
DF
2 ペカリーク 6・5
一度食らいついたら離さない”コブラ”の如く、対人プレーで勝ち続けた。37歳ながらスロバキアを象徴するタフガイだ。
3 ヴァヴロ 6・5
スピードこそないものの、ボールへの反応に優れ、最短距離でケア。ルカクにもしっかりと食らいつき、とりわけ自陣ボックス内での対応が安定していた。
14 シュクリニアル 6・5
ヴァヴロとの役割分担も明確で、最終ラインに秩序をもたらしていた。セカンドボールへの反応に優れ、カバーリングも上々。
16 ハンツコ 6・5
序盤はドクのスピードに慌てたが、以降はクレバーな守備が光った。後半にマッチアップしたバカヨコは蚊帳の外へ追い込んだ。
MF
22 ロボツカ 7 MVP
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ピッチを常に走り回りながら正確なショートパスでタクトを揮い、守備ではアジリティを活かし、相手のチャンスの芽を摘み続けた。
19 クツカ 6・5
37歳の大ベテランは屈強なフィジカルを活かしたかつての姿ではなく、インテリジェンス溢れるプレーで中盤のオーガナイザーとして機能。相手のプレスをかわすプレーが経験の豊かさを物語っていた。決勝ゴールのきっかけとなったカットも評価。
8 ドゥダ 7 (90分+4→交代)
ボールを失わない小回りが利いたテクニカルなドリブルで攻撃にリズムを与え続けた。守備での貢献度も高く、攻守においてピッチで輝きを放っていた。
→4 オベルト ー (90分+4→出場)
FW
26 シュランツ 7 (81分→交代)(■41分)
決勝ゴールは殊勲。ゴール以外にもプレー判断が良質であり、クオリティ豊かなプレーを見せた。ボールホルダーへのプレッシング、相手サイドバックへのケアと、守備でもしっかりと仕事をこなした。
→20 ジュリシュ ー (81分→出場)
17 ハラスリン 6 (70分→交代)
キープ力もありパスも正確で、縦より横の動きでタメを作っていた。ボールロストも少なく、及第点の働きだっただろう。
→7 ススロフ 6 (70分→出場)
デ・ブライネ、ティーレマンスといった相手のパスの出所に果敢にプレッシングを敢行。
9 ボジェニーク 6 (70分→交代)
ビルドアップが不安定なベルギーCBへのプレスは焦りを誘い効果をもたらしていた。ボールを収める働きも及第点だった。
→18 ストレレツ 6 (70分→出場)
ボジェニークの守備タスクを引き継いだ。