「死闘」を制したスペインが鮮やかな4発逆転勝利でベスト8進出。前半18分にジョージアがオウンゴールで先制。波乱の予感が漂う中、ジョージアの強固な守備をスペインが39分にこじ開ける。後半はスペインが優勢に試合を進め、ジョージアは3失点で力尽きた。終わってみればスペインがシュート35本を放つ一方的な試合になった。枠内シュートも13本を数え、GKママルダシュビリのファインセーブ連発がなければもっと点差は広がっていただろう。それでもジョージアという勇敢なチームはEUROの歴史において記憶に刻まれるだろう。
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【ラウンド16】 スペイン×ジョージア(ヴェルティンス・アレーナ)
4 ー 1
[得]
(ス)
39” ロドリ
51” ファビアン②
75” ニコ・ウィリアムズ
83” ダニ・オルモ
(ジ)
18” OG(ル・ノルマン)
【採点】(0~10の20段階評価。最低点は0。最高点は10。)
GK
23 ウナイ・シモン 6
問題なし。オウンゴールは仕方ない。
DF
2 ダニエル・カルバハル 7 (81分→交代)
5分には右サイドの深い位置を取り、ペドリに折り返すなど攻撃に絡んだ。守備ではクヴァラツヘリア相手に大奮闘した。
→22 ヘスス・ナバス 6 (81分→出場)
年齢を感じさせないはつらつとしたプレーを披露。
3 ル・ノルマン 6
オウンゴールはあったものの、その後は安定した守備を見せ、気迫あふれるプレーでチームを鼓舞していた。
14 ラポルテ 7
相手の果敢なアタックに対して極めて冷静に対処していた。ほとんど完璧と言える仕事をこなした。
24 ククレジャ 7 (66分→交代)
攻め上がりのタイミングが素晴らしく。敵陣バイタルエリアに侵入し、崩しに関与。守備でも球際で激しく当たりボール奪取を連発した。後半途中の交代は負傷によるものと思われる。
→12 グリマルド6 (66分→出場)
ククレジャの守備のタスクを引き継ぎ、そつなくプレーした。
MF
16 ロドリ 8
傑出したパフォーマンスだった。ポジショニングは狡猾、ボール回しは巧み、創造的な組み立てを披露。周りとの連携もすこぶる高く、前半のうちに価値ある同点ゴールを叩き込んだ。
20 ペドリ 7・5 (52分→交代)
敵陣バイタルエリア付近で創造性をチームに注入。周りとの連携も試合を重ねていくたびに高めている。逆転に成功し、52分にお役御免でピッチを去った。
→10 ダニ・オルモ 7・5 (52分→出場)
インテリジェンス溢れるポジショニングと動き出しで、ジョージアの守備網の空いたスペースで躍動した。
8 ファビアン・ルイス 9 (81分→交代)MVP
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「完璧」なパフォーマンス。3人のMFの中で最も攻撃的に振る舞い、相手にとっては常に危険な存在だった。見事なヘディングシュートで逆転弾を決め、抜群の精度を誇るロングパスで3点目の起点となった。
→6 メリノー (81→出場)
FW
19 ラミネ・ヤマル 7・5
ボールを持つと様々な選択肢を抱えながら、自由にプレーしていた。相手ボックス内の急所にクロスを供給し、ファビアンのゴールをアシスト。果敢に7本のシュートを放ったが、ユーロ史上最年少記録となるゴールには至らなかった。フル出場も自信になったはずだ。
17 ニコ・ウィリアムズ 8
驚異的なスピードとパワーに加えテクニックも融合されている大器は、その能力をいかんなく発揮した。ククレジャと良質な連携を見せ、相手にとっては危険極まりないコンビだった。3点目のゴールもお見事。
7 モラタ 5 (67分→交代)(■44分)
相手の守備網に引っ掛かり、持ち味は封鎖された。チャンスも逃し、スペインの攻撃陣で唯一パッとしなかった。
→21 オヤルサバル 6・5 (67分→出場)
動きにキレがあり、ダニ・オルモのゴールをアシスト。守備の貢献度も高い。ベスト8ではファーストチョイスもあり得るか。
GK
25 ママルダシュヴィリ 8
バレンシアの正GKは今大会でイタリアのドンナルンマとともに世界に存在を知らしめた。この試合でもとんでもないビッグセーブを連発。
DF
2 カカバーゼ 5
前半はタイトな守備を見せていたが、時間の経過とともにニコ・ウィリアムズに完全に切り裂かれ、主導権を握られた。
15 クヴェレシアニ 6 (79分→交代)
球際で激しさを見せ、奮闘。
→16 クヴェクヴェスキリ ー (79分→出場)
4 カシア 6・5
4失点するも、最終ラインを統制。強固なブロックを作り上げた張本人。美しいEUROラストダンスだった。
3 ドヴァリ 6
出足が早くリスクヘッジをした守備を披露。悔やまれるのは同点ゴールのロドリへの対応がの出足が遅れたことだろう。
14 ロチョシュヴィリ 5 (63分→交代)
デュエルでは勝利を収めることが多かったが、パスミスが余りにも多かった。
→21 ツィタイシュヴィリ 5 (63分→出場)
左サイドから果敢に飛び込むも実らず。全体的に低調なパフォーマンスだった。
MF
6 コチョラシュヴィリ 7・5
デュエルでは一度も負けていない。ドリブルとパスを駆使し、ボールを前線に運び続けた。この一連の仕事を90分間やり続けた運動量と精神力に舌を巻く。グッドルーザーのなかでも彼のパフォーマンスは特別な輝きを放っていた。
17 キテイシュヴィリ 7 (41分→交代)
5バックと中盤の溝に位置し、ボールホルダーにがつがつ当たりにいく彼の働きは、非常に効いていたので彼の負傷交代はこの試合のターニングポイントだった。
→18 アルトゥナシュヴィリ 4・5 (41分→出場)
ゾーンでの守備のタスク以外試合から消えていた。一体彼は何回ボールに触っただろうか。
10 チャクヴェターゼ 6 (63分→交代)
球際で戦い続け 、コチョラシュヴィリ同様、デュエルで勝ち続けた。後半はさすがに運動量が落ち、出足が遅れていた。
→9 ダヴィタシュヴィリ 5 (63分→出場)(■71分)
チャクヴェターゼに比べ、球際でボールをほとんどかっさられていた。
FW
22 ミカウターゼ 5・5 (79分→交代)
カウンターを主導。ミスが目立ち、これまでの試合に比べクオリティが低調だったか。
→8 ジヴジヴァーゼ ー (79分→出場)
7 クヴァラツヘリア 7・5
カウンターの際にマーカーをスピードで引き裂く姿はキャリアの全てをかけているかの如く凄みに溢れていた。チームのチャンスに全て絡んでいた。スペインの守備陣にとって極めて厄介な存在だった。先制ゴールは彼がボックス内に果敢にとび込んでいるからこそル・ノルマンの焦りを誘っていたのは言うまでもない。